歯周病

歯周病の治療法

比較的軽い歯周病であれば歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。しかし炎症が歯肉の奥まで進行し歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要になります。
この手術の際に歯周組織再生用材料(エムドゲイン®ゲル)という手術治療を補助するための歯科用の材料が使われることがあります。エムドゲイン®ゲルはスウェーデンのビオラ社で開発された新しい歯周組織再生用材料です。
エムドゲイン®ゲルの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子供の頃歯が生えてくる時に重要な働きをするたん白質の一種です。歯周外科手術の際、組織が失われた部分に歯周組織の再生を導くゲル状の材料を塗る方法で、強固な付着機能をもつ歯周組織の再生を促します。
飯田歯科クリニックでは悪ければ何でも歯を抜く(抜歯)ということではなく、抜歯をしなくてもよい可能性がある際には歯周組織、骨を再生させて天然歯を保存する方法を優先することを患者様に提案しています。

歯科外科手術とエムドゲイン®ゲルの塗布

■手術の前に

歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを測ったり、レントゲンを撮ったり、その他治療に必要な検査を行います(手順1)。
エムドゲイン®ゲルを使った治療が行えるかどうかは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なりますので、担当医とよく相談してください。

■歯科外科手術

手術は麻酔をかけて行います。まず最初に治療する部分の歯肉を切開し、剥離します(手順2〜3)。
次に歯根の清掃を行い(手順4)、エムドゲイン®ゲルを塗布します(手順5)。
最後に切開した部分は歯肉部分を縫合し(手順6)手術は終了です。手術にかかる時間は約1時間前後で、手術後しばらく休んでいただいた後は帰宅できます。抜歯は手術日から約2〜6週間後に行います。

歯周ポケットの測定
歯肉の切開
歯肉の剥離
歯根表面の清掃
エムドゲイン®ゲルの塗布
縫合

歯周病の症例

■症例1
【before】歯周病が進行し骨の欠損が存在します。

【after】歯周組織が回復しました。
■症例2
【before】歯槽骨が溶けて歯を支えることできずに動揺しています。

【after】歯周組織が再生され歯のぐらつきが治りました。
■症例3
【before】歯槽骨が大きく破壊され深い歯周ポケットが存在します。

【after】再生療法により歯周組織が見事に回復しました。