診療内容

一般診療(保存修復)

むし歯の進み方

むし歯は以下のように進行していきます。

■C1 浅在性のむし歯

とくに痛みやしみるといった症状はありません。しかしむし歯は始まっています。歯の表面が白濁(白い斑点)してくる場合もあります。むし歯がエナメル質でとどまり、まだ象牙質までには到達していません。

■C2 深在性のむし歯

むし歯が象牙質にまで到達した状況です。最初は冷たいものがしみるという症状があります。さらに進むと熱いものまでしみるようになります。熱いものがしみだしたらかなりむし歯が進んできたと自覚した方が良いです。むし歯の入り口が小さく、中へ進むにつれて放射状に大きくむし歯になっているときもあります。

■C3

痛みがはっきりわかる状態です。むし歯が進行して歯髄にまで到達した状況です。歯に大きな穴があき、歯髄にまでむし歯が到達した状況です。歯髄をとり除くため、何回かの治療が必要となります。

■C4

痛みはなくなります。歯の上の部分が崩壊して根っこだけになります。神経が死んでしまうため痛みを感じないことがあります。細菌が神経の管を通って根っこの中、又は根っこの外(骨=歯槽骨)にまで到達してしまい、化膿して腫れることがあります。治療回数が増えたり、時には抜歯が必要となることがあります。

むし歯の治療法

浅い場合はむし歯の部分を削って充填します。

深い場合はむし歯でやわらかくなってしまった部分(軟化象牙質)を除去します。歯髄保護の場合にお薬を1度入れる時があります。 痛みがなければ、お薬をとって充填するか、型を取って修復物を入れます。必要な際には麻酔をします。1本の歯が多歯面にわたりむし歯が存在する際には、かぶせものにする場合もあります。

歯髄にまでむし歯が到達してしまった場合は歯髄処置を行います。よく聞く根の治療・神経の治療です。 根の治療が終了しましたら、歯の強化のため土台を入れてかぶせ物をかぶせて終了です。

小児歯科

0歳~12歳頃までは乳歯が存在する年齢ですが、この時期は将来永久歯列期を迎えるまでの大切な準備期間です。 そのため個々の乳歯をしっかり管理していくことはもちろん、永久歯列期を迎えるまでに、歯の保存の重要性やいろいろな病症とそれが及ぼす影響についてなど、お子様本人とご父兄の方々にも理解していただき、認識を高めること、そしてそのために大切な口腔管理を習慣にすることが求められるのが小児歯科です。
難しいのは、その事を小児が理解し実行することです。そのため、私たちは治療を拒否する小児の強制的な治療は基本的には行いません。応急処置はやむを得ませんが、今後の治療に障害となるような恐怖心は与えないようにしております。
ここで助けとなるのがご父兄の方々の、お子様に対するモチベーションです。例えば治療をされたお子様に「痛かった?」と声をかけるのではなく「よく頑張ったね(ALOHA)」と誉めてあげたりすることがとても大切なのです。理想的には、小児期において十分な管理が成されていれば、永久歯列期を迎えた時はメンテナンスのみで治療が必要なくなるわけです。

小児歯科の特徴

永久歯に比べて乳歯は小さくやわらかいのでむし歯になりやすく、進行も早い特徴があります。子供さんの乳歯には次のような特徴があります。

  1. 十分な機械的清掃(ブラッシング)ができない→食物が残りやすい
  2. 食物内容の違い→粘着性、甘味物を好む
  3. 歯の形態 咬む面の溝などが複雑→食物が残りやすくむし歯になりやすい
  4. 歯の質 やわらかい→むし歯になりやすく進行も早い
  5. 睡眠時間が長い→自浄作用が少ない

自浄作用: 人間には唾液が存在していて、大人はダラダラとお口から垂れ流す前にその都度唾液を飲み込んでいます。 また食事をとった際に必ずお水とかお茶とか、水分をとります。その際にお口に残っている食物が一緒に流れるということがあります。 歯磨きをするほどには値しませんが、このことを自浄作用といいます。

特に唾液は大切で、寝ているときの唾液の流出量は起きているときの量の半分以下といわれています。ですから飲み込む回数も自然と減ります。この自浄作用と睡眠は密接な関係にあります。ですから夜寝る前に歯磨きをしましょうと言います。もちろん子供さんだけでなく大人もです。

乳歯のむし歯がもたらす害

乳歯のむし歯がもたらす害は局所的・全身的に以下のようなことが考えられます。治療は初期のむし歯ほど簡単にすみますので、放置せず早めに受診しましょう。

局所的 全身的
咀嚼機能の低下→成長に影響します 偏食・食欲不振の助長
不正咬合・歯列不正の誘発→むし歯になりやすく審美的なコンプレックスを持つ 全身抵抗力の減弱
後継永久歯の形成障害 歯性病巣感染の原因
後継永久歯のう蝕発生 心理的影響
発音障害→子供の間においての人間関係に支障をきたします

治療について

当院の小児歯科診療では状況にあわせて以下のようなものを使用いたします。

(1)無痛治療
(a)33Gの針→日本で一番細い針
(b)パチンと音が鳴るのを頑張れるお友達は針の無い麻酔
(c)バナナ味の表面麻酔
(2)ラバーダム
ほっぺたを傷つけたり、お薬がこぼれたりするのを防ぐ薄いゴム。痛くも苦しくもなく口の中に水が入らないからラクチンです。
(3)レーザーで虫歯治療
どうしても削れないお友達は特別な薬を塗って削ります。第1選択の方法として使用しておりません。ご相談ください。
(4)無音バット
器具の音にも気を使い、痛々しい音を軽減しています。(※写真をクリックすると映像が流れます)
33Gの針
(1)-a 33Gの針
針の無い麻酔
(1)-b 針の無い麻酔
バナナ味の表面麻酔
(1)-c バナナ味の表面麻酔
ラバーダム(1)
(2)ラバーダム1
ラバーダム(2)
(2)ラバーダム2
レーザー
(3)レーザー
(4)無音バット

開業当初からのお友達

平成13年開業当初から撮り続けている写真です。もう成人した子もいます。(※写真をクリックすると拡大します)

口腔外科

口のなか、顎、お顔、その隣接した組織に関しての疾患を扱う診療です。
埋まってしまっている親知らずで神経が近く、抜歯後麻痺が考えられる症例、全身疾患のため全身管理が必要な方は大学病院をご紹介しております。埋まっている親知らずはほとんどのケースを院長の飯田が抜歯しております。

  • (1) 抜歯(保存ができない歯・親知らず・矯正による便宜抜歯)
  • (2) 顎(顎関節症ー音が鳴る・顎が痛い・開かない)→プロテクションスプリントを夜間・お休みの日などにつけてもらい治療します。
  • (3) 口内炎(お薬をつける・レーザーで処置)
  • (4) インプラント治療の前準備(骨造成)
  • (5) インプラント治療
(1)-a 親知らず抜歯前
(1)-b 親知らず抜歯後
(2)-a プロテクションスプリント
(2)-b プロテクションスプリント装着例
(3) 口内炎
(4)-a 骨造成前
(4)-b 骨造成後
(5) インプラント治療

矯正歯科

※写真は院長の姪です

日本でも近年、見た目の為の矯正治療ではなく「歯並びを整える事による機能回復の重要性」が認識されるようになりました。歯並びが悪いと、歯ブラシが完全に行き届かず、食べかすがたまり虫歯、歯周炎、歯周病等の原因となります。また、咬み合わせに狂いが生じる事で顎関節や顔貌等に影響する事もあります。矯正治療では保険を使うことができませんが、費用についての質問や簡単な相談でも構わないので、悩まないでお気軽にご相談ください。

矯正歯科の種類について

不正咬合や乱れた歯並びを正しい位置へと矯正する治療が矯正治療です。審美的にキレイにすることはもちろん、歯並びを整えることで虫歯や歯周病のリスクを減らすことが出来ます。当院では相談後、検査を行い、ひとりひとりに合わせた治療プランを以下のように提供しています。

■小児矯正

上の歯と下の歯がきちんと並んだしっかりかみ合った歯並びは食べ物をよく噛めますし、歯ブラシなどがしやすくなります。 小児からの咬み合わせをチェックすることで、顎のずれや歯のデコボコを防止することが可能になります。

■成人矯正

最近では美しい口元の関心が高まり、子供だけでなく成人にも矯正治療が普及しています。ちなみに症状にもよりますが、何歳からでも始めることが可能です。審美的にキレイにするとともに、咬み合わせを長期的に健康維持する為に必要な治療です。

■審美矯正

ひと昔前までは「矯正したいけど装置が見えるのが嫌」という方が大多数でした。当院では取り外し式の透明なマウスピース矯正や見えづらい透明ブラケットを用意しております。まずはお気軽にご相談してください

■インプラント矯正

「それでも歯を抜きたくない」「より短期間に治療を終わらせたい」という方には、インプラント矯正をお薦めしています。小さなスクリュー(小さなインプラント)を歯ぐきに埋入。これを土台にし、効率よく歯を引っ張ることで非抜歯での矯正ができたり、大幅に治療期間を短縮できる画期的な矯正方法です。歯ぐきに入れるスクリューは数ミリしか無い小さなピンのようなもの。麻酔を使用し埋入するので、痛みはほとんどありません。インプラント矯正は負担が少ない矯正として、近年注目されている治療方法です。

矯正治療の症例

矯正治療の症例を以下に紹介いたします。

叢生(抜歯症例)

上顎、下顎ともに歯が重なり合っている患者さんです。叢生の原因には色々ありますが、最も多いのはアゴが小さすぎることによって歯が並ぶスペースが足りなくなることです。上下第一小臼歯を抜歯してでこぼこを改善しています。

叢生(非抜歯症例)

子供の時期であればアゴの大きさを広げることにより、歯を抜かずに矯正をすることも可能です。

上顎前突(出っ歯)

上顎の歯が前方にとび出している患者さんです。上顎第一小臼歯を抜歯して前方に出ている歯を後方に引っ込めています。

受け口

下顎が大きく、下の歯が前に出ています。上顎の前歯を前方に出して噛み合わせを改善しています。

メンテナンス

メンテナンスの目的

患者様1人1人に合った治療を進め、治療が終了した際には、それでおしまい(飯田の高校生の時の経験談の様に)ではなく、治療が終了した状態を維持させていく、長く維持させていくということメンテナンスといいます。世界においても、メンテナンスを持続するか持続しないかで、その後の歯の喪失に関わってくるということが立証されております。
メンテナンスによって病変の発生の防止、既存の病変の進行の防止、処置後の病変再発の防止をすることができます。

メンテナンスの分類

1.予防的なメンテナンス
健全な状態を維持させ、病変などの発生を阻止する。
2.試験的なメンテナンス
原因除去せずに、病変などの進行を防止する。
3.妥協的なメンテナンス
全身疾患や口腔衛生状態が不良で適切な治療ができない場合に進行を防止する。
4.治療後のメンテナンス
原因除去できた上での再発防止する。

メンテナンスの流れ

メンテナンスは以下のような流れで行います。

■全身的な健康状態の診査

1~3か月ぶりに来ていただくわけですので、全身的な健康状態をお聞きします。
病院への通院・季節の変動による体調の変化・喫煙の再開などです。

■一般的な歯科検査

主に以下の項目をチェックいたします。
歯垢・歯石・むし歯・歯肉の状態・詰め物・かぶせ物の不適合・脱離・知覚過敏・歯牙の動揺・歯牙の咬耗・摩耗・義歯の適合状態・ブラッシング状態・ナイトガードのチェックなど

■実際的なメンテナンス

実際にクリーニング・ブラッシング指導・咬み合わせの調整などを行います。

■治療終了後のメンテナンスの間隔

メンテナンスの間隔はそのときの状態によって以下のように変化します。
(1)治療終了後から1か月後(2)状態が安定していれば2か月間隔(3)さらに安定している場合は3か月間隔

メンテナンスの間隔

最大には3か月間隔のメンテナンスとさせていただいております。

(1)どうしてもブラッシングの不得手な個所があるとすると、歯垢が蓄積し、歯石へと変化していきます。そして歯肉の中で3か月を超えてくると、細菌の菌叢が変化してきます。その変化するかしないかの時期に歯石を除去することにより、治療の終了時期に戻すことができます。(細菌学的見地より)

(2)咬み合わせが永遠にずれてこないという人間はこの世に存在しません。この咬み合わせのずれにより天然歯は表面が剥がれ、むし歯になり易くなります。詰め物は歯との境に溝ができてきて新たなむし歯になります。かぶせ物はすり減り、ズルズルの咬み合わせになり、穴が開いてきます。つまりこのズレを無くします。(物理的見地より)

そして治療のゴールを末永く私達と一緒に保っていきます。もし何かが起こっても、早期発見・早期治療で小さい範囲、短い期間で元に戻していきます。